たくさんのお客様にお運び頂き、嬉しいかぎりです。いよいよ千秋樂!打ち上げまでが公演です(笑)

※お断り※
期間内の俳優ブログは今日でおしまいです。緊急掲載などの影響で繰り下がりました板橋、救仁郷は公演後の掲載となります。ご了承下さい。
【松山立】
はじめまして。
今回、『シェルショック』でジャック・アーノルドを演じる松山です。

第一次世界大戦中、砲弾の衝撃で精神と肉体に支障をきたす「シェルショック」にかかってしまったジャックと、それを取り巻く友人のウェインとロイルストン。名物ウェイターの切り盛りする喫茶店で、べらぼうに密度の濃い群像劇を繰り広げます。演じる僕たちだけでなく、見ていただく側にも負担を強いる仕上がりになっていますので、すでにチケットを買ってしまった方は、もう一度よく考えた上、ご来場下さい。

先日高松君も言っていましたが、今回は初顔合わせのメンバーが大半を占め、まずはお互いを知るところからスタートしました。僕はとりわけ人見知りが激しいので、直前になるまで迷惑をかけっぱなしだったのですが、この短期間で、お互い見ず知らずの人間が、少しずつ知人になり、友人になり、仲間となり、チームになってきました。それが舞台の完成度にそのまま表れているように思います。

一度でも体験された方はお分かりだと思いますが、舞台をひとつ創るというのは、本当に大変なことです。それはどんなに小さな舞台でもそうなのです。どこの馬の骨か分からない人達と顔合わせをしたあと、初めて台本を読んでは膨大な台詞を前に途方に暮れ、電車の乗り換えに何度も失敗しながら稽古場を転々とし、ああでもないこうでもないと稽古を煮詰めたら、やれ買出しだ、衣装の発注だ、折込だ、音楽も探してこなくちゃ、チケット管理はどうなってんだ。枚挙にいとまがありません。

考えてみれば、舞台を創るというのはおかしな作業の連続です。演出家は、実際にはありもしない荒唐無稽な物語を料理し、俳優は実在しない人間のことに「絶対そうだよ!」と口角沫を飛ばし、照明家は「こっちから陽が差してるから・・・」と、天文学を持ち出し、舞台監督は次々に巻き起こる無理難題を目の前に、タバコをふかしながら人智を越えた力で乗り切ります。そうして僕らは、まだ見たことも会ったこともない観客のみなさんのことを考え、試行錯誤を繰り返してきました。その無駄ともいえるエネルギーの集積体が、この舞台を底辺から支えています。受付からセット、照明、動作や台詞のひとつひとつに至るまで、文字通り僕らが身を削りながら創った舞台です。決まった日、決まった時間に、予定通りの場所で当たり前の場所で当たり前のように開幕しているようですが、その前には膨大なハードルが立ち並んでいます。

しかし、矛盾することを言うようですが、僕はそういった苦労を、観に来てくださる方々に汲み取って欲しいと思ったことは今までに一度もありません。舞台が出来上がるまでの事情などつゆとも気にかけず、目の前で上演される作品を純粋に味わっていただきたい。

D.R.P.は、戯曲の元に集う。本日、いよいよ千秋樂です。