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9月に始まった『高崎山殺人事件』の稽古も、残すところわずか数回となりました。
さるチーム、かぼすチームともに、それぞれ一回ずつの通し稽古が最近の日課となっています。もはや今日が何日なのか何曜日なのか誰も分かりません。

通しは本番さながらの緊張感の中、恙無く運ぶようになっています。
しかし演劇の場合、どこどこまで稽古すれば完成、ということがありません。
長いこと一枚の絵を描いていて、いつ止めていいのか分からなくなるというのは、こんな感覚なのでしょうか。


稽古でできないのは、「お客の前でやる」ということだけです。


そして、この劇が本当に完成したのかどうか、本当に成功したのかどうかは、舞台が終わっても俳優には分からないのです。


それを決めるのは、俳優ではないのですから。