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公開前ですのであまり舞台の様子は詳しくお伝えできませんが、今回はいわゆる「額縁式」の舞台ではありません。

そこで、俳優たちが舞台上のどこに立つか、座るか、どのラインを通ってどこへどうやって動くかということが殊のほか重要になってきます。


そういった立ち位置や動きの決めごとを演劇では「ミザンセーヌ」といい、スタニスラフスキイが自著『俳優修業』の中で書き記したことから日本にも馴染みのある言葉となりました。
「ミザンセーヌ」はフランス語で、イギリスなどでは「ブロッキング」という英語が同じ役割を果たしています。日本では「ミザンス」という風に呼ぶ人もいるようです。

詳しくは、このブログの中から「ミザンセーヌ」というタイトルの日記を探してご参照ください。


呼び名はどうでもいいのですが、稽古の中でこういった動きの整理をしているとき、「まあ、演技の方はさておき」という姿勢になりがちです。
もちろん、演技の細部をつつきだすと際限なく時間がかかりますから、まず全体の大まかな動きを決めておいて、そののち中身を厚くしていくというやり方は非常に効率的です。


ただ、当たり前のことですが、立ち位置や動きと演技の中身は深く結びついています。
演技を行う前に、舞台上における俳優の位置取りによって人間関係が示されたり、動きのラインによって心理が示されることは少なくありません。


稽古場でミザンセーヌを決めるときは、
「ここに立って、相手があそこに座ってる、ということは・・・」
「このスピードであっちへ移動する、ということは・・・」
という風に、「ということは・・・」の続きを考えながらやることが大切です。


これは、演出家と俳優の間で、無言のうちに交わされるやりとりなのかもしれません。